Tomeka Reid Quartet 東京公演
Tomeka Reid (トミーカ・リード) - チェロ
Mary Halvorson (メアリー・ハルヴォーソン) - ギター
Jason Roebke (ジェイソン・レブキ) - コントラバス
Tomas Fujiwara (トマ・フジワラ) - ドラムス
コンテンポラリー·ジャズ·シーンを牽引するスーパーグループ、待望の初来日
チェロを自在に操りながら近年のジャズ界に新風を吹き込んでいるのがトミーカ·リードだ。出身地のワシントンDCでクラシックを学んだ後、シカゴの前衛ジャズ集団AACMの一員として21世紀初頭にその頭角を現したリードは、その後ニューヨークとシカゴを行き来しながら様々なグループで弦楽器の新たな可能性を追求。現在は欧米の主要ジャズ·フェスティヴァルの常連として大活躍している。トミーカの高い演奏力と創造性に満ちた作曲能力は常に高い評価を受けており、2022年には“天才賞”として知られるマッカーサー賞を受賞している。
そんな才女の活動の核とも言えるのが2010年代半ばに結成された、チェロ+エレクトリック·ギター+コントラバス+ドラムスという編成のトミーカ·リード·カルテットだ。1950年代後半に一世を風靡した人気グループ、チコ·ハミルトン·クインテットから管楽器が抜けた編成と解釈すればスウィングするジャズを期待させるが、弦楽三重奏+ドラムスと解釈すると前衛的なサウンドが連想される。こういった異なる方向性を見事に調和させながら、決して頭デッカチではなく、美しくも先鋭的な音楽を可能にしているのが、トミーカ·リードの斬新な作曲センスと曲者揃いのメンバーである。
トミーカと並んでメイン·ソロイストの役割を担うメアリー·ハルヴォーソンは米ジャズ界でもっとも注目されているギター奏者の1人。学生時代からアンソニー·ブラクストンに師事していたとあって彼女の前衛性は筋金入り。正統ジャズ·ギター·スタイルを思わせるソロが拡張奏法やエフェクトによりデフォルメさせて行く様は実にスリリングである。彼女も2019年にマッカーサー賞を受賞している。
ジェイソン·レブキは長らくシカゴの前衛ジャズ·シーンを支えて来たベース奏者。一時期、頭を剃り、凄まじいばかりの集中力で完全即興演奏に専念する⟪禅ベーシスト⟫として知られていたが、現在は作曲家としても優れた能力を発揮しており、自らのグループを率いている。
母がフランス人、父が日本人、生まれ育ったのはボストンというトマ·フジワラは10歳から巨匠アラン·ドーソンにドラムスを師事。17歳でニューヨークに進出してプロ·デビューした後、様々なジャンルの音楽を体験しながら腕を磨き、現在は演奏家、作曲家、バンドリーダーとしてアヴァン·ジャズ·シーンの要的な存在となっている。ニューヨーク·タイムズ紙はフジワラを「ドラム·セットを一つの大きなキャンバスとして扱う彼のコンセプトにはオーケストラ的な広がりが感じられる」と評している。