初のライブ録音によるソロ・ピアノ作品

シャイ・マエストロが自身の音楽的アイデンティティを最も濃密に表現した一枚。すべての音に深く潜り込み、一音一音が自由に呼吸し、自然に展開していく。力強く打楽器的なエネルギーと、儚く繊細な残響。その間を自在に行き来する、豊かな音の世界が広がります。

本作は“対比”というテーマを軸に、異なるふたつの音楽的風景を描き出します。明晰で研ぎ澄まされた「Miniatures」、そして内面に静かに深く沈み込んでいく「Tales」。それぞれの楽曲は映像作品としても表現されており、Miniatures は白を基調とした高精細な映像でその明るさと緻密さを際立たせ、Tales は暗く荒削りな質感の中に、探求的で本質的な音を響かせます。音と映像が共鳴しながら、洗練と即興、明と暗の美しいコントラストを描き出しています。

フォーク、バッハ、ジャズ・スタンダード、スティーヴ・ライヒ、Bon Iver──
ジャンルを越えた影響を受けながらも、そこにあるのはピアノという楽器の本質そのもの。『Miniatures and Tales』は、自由で無垢な演奏の中に、深い没入感と凝縮された瞬間を同時に収めた作品です。シャイ・マエストロの音楽世界に深く入り込み、新たな音の視点と出会う旅へと、あなたを誘います。